yudongoの日記

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お勉強の成果を披露したい雑記ブログ

【書評】大金に人は狂う オフショア口座開設のすゝめ

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こんにちは、ゆどんご(@yudongoyeah)です。

 2019/02/28/065115

引き続き経済小説を読み漁ってます。

今回は橘 玲のデビュー作、『マネーロンダリング』です。

 

ど直球タイトルですね。デビュー作からこのタイトルは著者のスケール感を感じます。

 

『永遠の旅行者』、『タックスヘイヴン Tax Haven』へと続く3部作の1冊目です。

 

橘 玲は、もともと編集者をしならがらも”海外投資を楽しむ会”という会のメンバーとして活動していたことからとにかく投資知識が半端じゃないです。

 

この本を書こうと決めたのは、もともとあまりにも露骨な脱税節税指南本は流石に出版できないと思ったそうで、じゃあその節税手法を小説のトリックに落とし込み伝えるか、との考えからだそうです。

 

ですので、いま現在有効な手法があるのかわかりませんが、本が書かれた2002年当時のリアルな節税手法が惜しみなく披露されています。

 

このあまりにリアル節税手法に加えて、香港と日本を舞台に繰り広げられる50億円の狂った争奪戦はとても読み応えがありました。

 

あらすじ

元・金融マンで今は香港でモグリの金融コンサルタントをしている工藤のもとに、ある日美しい女・麗子が依頼に現れる。

依頼は、5億円を日本から海外に送金し、損金として処理すること、つまりは5億円もの脱税。

危険な橋とわかりつつも依頼を受けた工藤は4ヶ月後、麗子が金ととも蒸発したことを知る。

それも5億円ではなく、50億円を持って。

麗子と50億円の行方はどこへ?香港と日本を股にかけた、人の欲望を巡る金融サスペンス

 

大金に人は狂う

5億円でも一人の人生には十分すぎるほどですが、50億円となるとそれを巡る人たちは

いとも簡単に狂気に飲まれていきます。

 

大金が必要な理由はそれぞれですが、大金を目の前に人がいかに残酷になるか

 

恐ろしさとともに、裏社会を覗き込む、見てはいけないものを見るスリルがあります。 

 

金融知識すごい(小並)

上にも書きましたが、デビュー作とは思えないあまりに豊富な金融知識に圧倒されました。

 

例えば、今では「移転価格税制」という制度で一定の規制がかけられていますが、以前は有効だった脱税スキームの例として以下があります。

 

ある国内企業が、子会社を香港につくるとする。この子会社が、中国から原価八〇円の商品を買い付ける。親会社はそれを、一個一〇〇円で輸入する。この取引で、親会社から子会社へ一個あたり二〇円の利益が移転する。親会社は一〇〇円で輸入した商品を、「精一杯の販売努力をしたが売れなかった」という理由で、一個七〇円で一〇〇円ショップに投げ売りする。一個あたり三〇円の損失が発生するが、これは損金として計上されるので、そのぶん税金が安くなる。一〇〇円ショップでは、原価八〇円の商品を七〇円で仕入れ、小売価格一〇〇円で売ることができる。こうして、商品を製造した中国の会社も、輸入した日本企業も、一〇〇円ショップも、みんなが得をする。損をするのは、税金を取りっぱぐれた日本国政府だけだ。

 

 一定の規制がかかっているといえど、税務署からしたら脱税の意図でこれをやっているのか、それともただの商売を失敗してしまったのか見分けるのは困難です。

(もしかしてこれ、今でも全然有効な手法なんじゃ。。。)

 

また、節税手法として有名なオフショア口座開設についても物語の本筋に絡み多く触れられます。

オフショア口座とは、海外の銀行にある口座を指しますが、特に節税を目的としてTax Haven(租税回避地)に作られる口座を指します。

 

そんなオフショア口座の開き方から、口座を開きやすいおすすめの国、口座の有効活用方法まで書かれていて、これが

 

あまりにリアル。大丈夫ですか、橘先生。 

 

まとめ

新しい作家さんが見つかって嬉しいです。

今回は三部作の1冊目ですので、続刊についても読んでいきますが、2019年の今現在、私にもできそうな有効な節税手法が書いてあるとうれしいなあ!